やりたいことを無理に見つけようとする皆さんへ

最近面談していると、
あまりに毎回同じアドバイスになってしまうことが多いので、
僭越ながら、少しだけ筆をとらせていただきます。

相談にきてくださる方のほとんどが自己分析をやりすぎてか、
「やりたいことを見つけなければならない病」に
かかっています。
やりたいことって、
そもそも”純粋に湧いてくるもの”じゃないでしょうか?
これを「自己分析」の名のもとに、無理矢理見つけ出そうとされてます。

仕事自体を今までほとんどしたことないのに、
ほとんど無い経験のなかから「軸」をみつけなきゃいけないという強迫観念という名のもとに、
自分が何者かを見出そうとするのは、
すべての方にフィットするやり方ではないような気がします。
(異性とつきあったことないのに、
結婚相手に求める条件”軸”を ひたすら探す危うさと似てません?
そんな”軸”を提示されたほうも困りますし、 提示したほうからしても、
それが「必須条件」ではないのであれば、
そんなやりとりナンセンスに思えます。)

内心は
「『別に仕事は正直なんでもよい』と思っているが、 相手から
『やりたいことは何か』と聞かれるから、何か答えなくては」
的な、まさに強迫観念をお持ちな方も多いです。
これは、かえって自分の選択肢を狭めてしまったり、
相手に「融通が利かない」という、間違ったブランディングを行い、
ご縁を無くしたり、弊害が意外と大きいように思えます。

それより、経験が少なくお給料に見合う仕事ができないうちは、
「まずは自分が何故働くか」の必要性を見出したり、
「とりあえずできるようになる」という姿勢で
仕事に取り組むことをお勧めします。

やるべきこと、例えば
・経済的にまずは自立すること、
・親孝行をすること、
・家庭設計に向けての準備等
だけでもたくさんあるものですよ。
やるべきことだけ言っても仕事を得ることができない、
という変な強迫観念は捨てていいと思います。
やるべきことを本気でやるべきと思っている人からは、
「仕事をしなきゃいけないオーラ」が出ます。
自分のことばかり考えない人が結局、勝つのでは?

採用担当者や社長さんと数多く話してて感じることは、
要は「その子が途中で投げ出してやめないかどうか」
をとても重要視している方々が多いです。
(そりゃそうですよね。ビジネス上、 お給料に見合わないのに、
お給料を払い、 教育して、多大なコストをかけてるわけですから、
途中で辞められたら、たまったもんじゃない、とw)
もしみなさんが、社長さんだとして、
A.心にもないことを「やりたいこと」だといい、
途中でイメージと違うといってやめてしまいそうな子
B.やりたいことはないまでも、やるべきことに必死で向き合い
仕事をとにかくこなそうと思う子

は、どっちが採用したいですか?
これだけでも結構自明な問いだと思います。

仕事をとにかくこなそうとする人には、経験が蓄積されます。
本気でやることで実績もできるでしょう。
やりたいことと違うといい、目の前の仕事に
全力で取り組まない人が成果を出せるほど甘くないでしょ?
(そもそもやりたいことって何?って聞いても、
そういう方に限って
「いや、具体的にはやりたいことは決まってないんですが」
「漠然としてるんですが」といいます)
もちろん夢(やりたいこと)を持つこと自体は大事で、
夢を伝えることを否定しているものではないです。
大人は若者には夢を持っていてほしいと思うものだし、
現に大人でも夢を持ち続けて”頑張っている”人は、
魅力的であるものです。
でもそれは夢を持っていることもそうですが、

「頑張っている行為」そのものがかっこいい

のですよ。

夢(やりたいこと)がないのに、無理やりひねり出して、
特にそれに向けて動いていないことが露呈すると、
人の信用を失いやすいことも
知っておいて損ではないと思います。

自分の足元でやるべきことを
しっかりとこなしていくと、できることが増えます。
できることが増えると、そのなかにやりたいことが埋もれていて、
やりたいことが自然と出てきます。
まわりも、できる人にはやりたいことを
させてあげようと思ってくれます。

ゆえに、できない人はやりたいことを無理やり探すのではなく、
まずは「できるようになる」、というのが
将来的にまだ見えぬやりたいことを見つける第一歩だと思います。
変に自分の妄想に溺れず、
まずは足元で何をすべきかを考えるだけでも、
キャリア設計を行う上で第一歩を踏み出せるのではないでしょうか。